国内外問わず2019年のブロックチェーンゲームの動向を振り返っていきます。
2019年は国内外共に実際にプレイできるブロックチェーンゲーム(BCG)が大幅に増えてきました。クリプトキティーズに始まり、スキャムの多かった2018年を経て、いよいよ芽が出始めてきた一年だったと思います。
国内外問わず2019年のBCG動向を振り返っていきます。この記事を読んでいただければ、今年のおさらいが一気にできますよ!
国内を代表するBCG。歴史上のヒーローで3体1組のチームを作り、ダンジョン周回やPVPを楽しむゲームです。
2018年の時点では国内一強のマイクリでしたが、2019年末の時点でもやはり強いBCGです。
マイクリのアセットを他のゲームで利用できるNFTコンバートをはじめ、NFTらしさを活かした新しい試みをしてくれました。NFTコンバートへの対応が発表された時点で、ヒーローの価格が上昇したことが印象的でした。
最近ではデュエルのために高額のアセットを買うプレーヤーも増えてきており、アセットは頻繁に取引されています。高額アセットを多数抱えるコアプレーヤーの引退も何度かありましたが、それらのアセットはまた別のプレーヤーに移って現在のデュエルでも活躍しています。
マイクリSの発表も界隈を賑わしましたね。これまでマイクリで使用していたランドやヒーローと互換性があるということで、期待感が高まっています。ゲーム内容についての詳細情報が待たれます。
最近では漫画サイトのGANMAとのコラボ企画によって、非ブロックチェーンゲーマーの新規流入がありました。既存IPを使ったブレヒロやトレーディングカードゲーム界隈へのアプローチができ始めているクリスペなどもあり、2020年はこれまで仮想通貨を購入したことのないユーザーが増えそうです。
▼GANMAコラボ企画詳細
https://link.medium.com/nJzLRAF8G2
プレーヤーとしてのゲームの収益性は、プレーヤーの増加に伴い悪くなってきています。デュエル褒賞は強力なアセットを持っているプレーヤーが圧倒的に有利で、褒賞をゲットできるレベルになるまでには新規で100ETH以上必要です。しかもアセットを買ったからと言ってデュエルで勝てるわけでもないのでかなり厳しい。ノード周回でのレジェンダリーエクステンションのドロップもプレーヤーが増えたこととノード攻略難度アップの影響で厳しくなってきています。
2020年は「稼げる」をテーマにBCGをアピールするのはきつくなってきそうです。NFTらしさによる新しい楽しみを伝えていくことが重要になりますね。
クリプトスペルズ(クリスペ)は、カードの一部がNFTとなっているブロックチェーントレーディングカードゲームです。
マイクリのランド的な立ち位置として、クリスペでもギルドがリリースされました。年末の時点で、ギルド対抗戦が行われており、コアユーザーがしのぎを削った戦いを繰り広げていました。
クリスペの一年間を振り返ると、2018年にあった炎上はなんのそので、順調にユーザーを増やしてきているように思えます。特に、シャドバなどの一般トレーディングカードゲーム勢からの引き込みに一役買っており、ブロックチェーンゲーム拡大の旗印となっています。
トレーディングカードの売買サイト「magi」でもクリスペのカードが円で取引可能になったことも大きなイベントの一つでした。その後、マイクリのアセットも取引できるようになりましたしね。
ただ、NFTを円で取引すること自体は法的に問題ないようですが、ブロックチェーンゲーム事業者の一部は規制などを誘発しかねないと懸念している方もいるようです。2020年は非ブロックチェーンゲーマーの流入もぐっと増えるでしょうから、ある程度の慎重さは必要かなというのが個人的な意見です。
8体のサーヴァントでデッキを組み、攻撃順や配置などを予め決めておく、オートバトル形式のブロックチェーントレーディングカードゲームです。
2019年滑り込みでリリースされたアクセルマークのBCG。これまでのBCGと比べてかなり洗練されたゲームとなっています。プレセールでも約3500ETHを売り上げる好調な滑り出しです。
▼【コントラクトサーヴァント】プレセール売り上げ・販売状況等まとめ【取引額3000ETH突破】
https://news.blockchaingame.jp/657?page=2
ゲーム内容としては、メインコンテンツのデュエルに加え、詰将棋のようなタワー攻略を評価しているプレーヤーが多い印象。デュエルも配置やパーティを少し変えるだけで勝敗が大きく傾くので、じっくり戦略を練るのが好きなゲーマーに受けているようです。
ロードマップが明確に示され、マーケットの実装などがすでに実行されている点もユーザーからの信頼を獲得しています。BCGは安くないアセットを購入しながらゲームをすることになるケースが多いので、運営の信頼性は今後ますます重要になってきます。ユーザーとのコミュニケーションが少なかったり、方針などが不透明だとゲームが面白くてもアセットを買ってもらえなさそうです。
くりぷ豚という豚を育て、レースで戦わせたり繁殖させたりするゲーム。可愛らしいくりぷ豚を活かして、季節ごとにイベントを行っています。
豚を育ててレースをするというコンセプトに基づいて、これまでアップデートを繰り返してきています。豚はもってるけど最近触っていないというプレーヤーも多いと思いますが、ゲーム性含めてかなり変化していますので一度ログインしてみてはいかがでしょうか。
Kight Storyは放置系のRPGです。ダンジョンをひたすら周回して素材を集め、上位素材の生成や武具の製造を行い、更にダンジョンの奥深くまで潜っていくというゲームです。EOS Knightを作ったチームが、ETH版として新しく作っています。
日本語マーケがついていたり、apple storeでダウンロードできるネイティブアプリとETHで購入できるWEBサイトのハイブリッドだったりと話題になりました。
プレセールでは、ETHでゲーム内通貨を購入したときにもらえる通貨の量が増える「サポーターズバッジ」が販売されました。これを使って、序盤からガンガン攻略していくプレーヤーがちらほらいたものの、徐々に失速。やりこみ要素はあるものの、放置が基本となるゲームだったので知らず知らずのうちに飽きてしまうプレーヤーも。
「入手したアセットを売って少額なら稼ぐこともできる」程度では、プレーヤーを維持できないことがハッキリと分かってきたゲームです。
インフィニティースターでは、プレセールでNFTのガチャが行われました。換金性のある商品のガチャは日本国内ではNGなので、法律を気にしているプレーヤーやBCG事業者がみられました。その後、海外のゲームだからということでそのままプレセールは行われ、ゲームもリリースされましたが、韓国内でもゲームのレーティングを行うGRACがインフィニティースターの評価を拒否するなどのトラブルがありました。
ブロックチェーンゲーム自体を否定するものではないとしていますが、ガチャの問題は慎重になっていかなければいけませんね。
ゲームのコンテンツは頻繁にアップデートを繰り返しており、徐々にブラッシュアップされていっています。クリスマスイベントなども実施しており、コアとなるファンは獲得している様子です。
アクシーとよばれる可愛い生物を育成、バトル、繁殖させていくゲーム。
ランドのプレセールが少し前に行われ、2000ETH以上を売り上げました。今回リリースされたアプリは、ランドとは直接関係がなく、自分の保有するアクシーを使ってバトルを楽しむことができるものです。PVEとPVPの両方がコンテンツとして実装されています。
アクシーは海外のコミュニティーで根強いファンを獲得しており、定期的にアセットの取引も行われていますし、各種パートナーとのコラボ企画なども行っており、ユーザーの信頼を獲得しています。
開発が遅いことが最大の懸念ですが、これまでコツコツと開発を進めてきている実績もあります。ランドが実装されるまでに競合となるゲームが出てきてしまいそうですが、ブロックチェーンゲーマーの古参はなんだかんだ正式リリースが楽しみなんじゃないでしょうか。
マイクリで培ったゲームシステムとブレイブフロンティアのIPが組み合わさった期待のゲーム。2019年末の時点でバトルのβテストが実施されており、正式リリースに向けて調整が進んでいます。(正式リリースは2020年1月30日が予定されています。)
これまでブロックチェーンゲームをプレイしたことのない一般ゲーマーをBCGへ招き入れる大きなチャンスとなるタイトルです。実際にブレヒロの公式動画配信を見ていると、視聴者数が20万人を超えており、これまでのブロックチェーンゲームとは2桁ほど規模感が違います。
また、ブレフロのキャラクターには愛着を持っているプレーヤーも多くいるので、NFTとして自分で所有できる楽しみが理解されると一気に人気が出るポテンシャルはあるように感じます。
マイクリをプレイしているプレーヤーからすると、マイクリの焼き直しのように感じてしまうかもしれませんが、実際にバトルをやってみると、属性が重要であったり、1チーム構成するのに5対のヒーローが必要だったりと、割と別ゲームとして楽しむことができます。正式リリースを楽しみにしましょう。
モンスターを召喚して、育成・バトルをしていくゲームです。
10月にバトルベータが終了して以降、しばらく動きをみせていないウォレットバトラー。2020年のリリースに向けて開発をしているところです。エグリプトなど、同じ系統のゲームが今後競合となるため、プレーヤーとのコミュニケーションをちゃんとやって、ゲームリリース前からファンを獲得しておくと人気が出そうです。
エグリプトもモンスター育成・バトル系のゲームです。
現在は一部正式リリースに引き継ぎ可能なオープンβが実施されていますが、ところどころコアとなる部分での調整の甘さをプレーヤーから指摘されています。キャラデザが好きだというプレーヤーは多いので、ポテンシャルはありそう。
プレセールに対するプレーヤーの目は最近ますます厳しくなってきているので、セール延期は良かったと思います。
海外で最も賑わったBCGはやはりGodsUnchained(GU)だと思います。カードの一部がNFT化されていたものの取引できない状況が長く続きましたが、なんとか2019年内にマーケットでの取引が可能となるところまで来ました。
カードプールには、NFTと非NFTが混在しており、非NFT部分の調整でゲームバランスをコントロールしています。NFTは調整無しでいくという理念で運営されています。
マーケットがオープンしてからは、毎日アセットが取引されています。取引額は単体では0.1ETH前後がそれ以下ですが、数が多いですね。私も保有しているカードに毎日のようにオファーが来ます。
今後は賞金付きの世界大会なども予定されており、盛り上がってきそうです。
これまでは海外のNFTマーケットプレイス「OpenSea」一強でしたが、2019年には国内のマーケット「miime(ミーム)」が登場しました。
国内ゲームとの連携を密にやっているのか、ミームが負担しているのかはわかりませんが、トレード手数料0%キャンペーンなど、出品数・取引数を増やすための施策を積極的に行っています。2020年に非BCGの流入が始まり、OpenSeaでしかNFTがトレードできないとなるとかなりハードルが上がってしまいます。このタイミングで稼働できたのは業界にとって非常に大きな意味を持ちます。
マイクリ、クリスペのアセット出品が少しずつ増えてきています。このままOpenSeaからミームへの移行が進んでほしいところ。
リアルのトレーディングカードを売買できるサービス「magi」にて、マイクリとクリスペのアセットが取引できるようになりました。
仮想通貨にあまり馴染みのないユーザーでもNFTを購入することができるので、便利に感じる層が一定数いるようです。
NFTを日本円まで替えるルートは、これまではNFT→ETH→JPY@取引所でしたが、magiではNFTから直接JPYに替えることが可能です。これによって便利さは向上しますが、規制対象になりやすくなったりするんじゃないかなど不安は残ります。magiはNFTの取引をやめればいいだけですが、BCG事業者やブロックチェーンゲーマーは直接的にあおりを受けますからね。
主要BCGの2019年の出来事をおおまかに振り返ってきました。将来性の見えなかった2018年と比べて、かなり現実的な未来が見えてくる1年になってきました。
2019年前半は「稼げる」ことにフォーカスされていましたが、後半にかけて「NFTらしさを生かした楽しみ方」が重視されるようになってきたように感じます。
2020年は、これまで仮想通貨に触れたことのないようなユーザーが流入してくる可能性が大きいです。仮想通貨はただでさえ怪しい・怖いといわれがちですから、稼げるかも?というBCGの特長は残しつつも大きな声では言わず、NFTだからこその楽しみ方を既存プレーヤーとして伝えていきたいですね!
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