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「クリプトアルケミスト」開発元の株式会社Gaia CEO窪田氏へインタビュー 1/2

「クリプトアルケミスト」開発元の株式会社Gaia CEO窪田氏へインタビュー
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国内での新しいブロックチェーンゲームプロジェクトの発表が相次ぎ盛り上がりを見せています。その中で注目されているプロジェクトが株式会社Gaiaの「Crypto Alchemist(クリプトアルケミスト)」”クリケミ”です、「マネコ」など仮想通貨向けのサービスを手掛けながら、参入した理由やNFTの将来性、ブロックチェーンゲームへ対する考えなど同社CEOである窪田昌弘氏へ話を聞いてみました。

ゲーム開発での様々な経験

窪田氏:株式会社Gaiaは2017年5月に設立しました。
仮想通貨のプラットホームサービスをやってまして、国内初の仮想通貨特化型フォロートレードサービスや相場変動のSaasモデルのアプリケーションをやっています。

一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)さんやブロックチェーン推進協会(BCCC)さん、日本ブロックチェーン協会(JBA)に加入しています。
また、Plug and Playと朝日新聞さんのアクセラレータープログラムに採択して頂いております。

また、元々サイバーエージェントのゲームの部門をメインに人が来ているので、ゲーム開発自体は得意です。

木村:前職ではゲーム事業に携わっていらしたんですか?

窪田氏:はい、最初は中国や韓国のタイトルのパブリッシングだったりアライアンス、ローカライズをしていました。
そのあと新卒2ヶ月目ぐらいで新規の案件を持ちました。

木村:新卒2ヶ月目は早いですね。

窪田氏:内定者アルバイトで働いていたんです。その時アートディレクターとしての仕事をしていました。担当していたゲームが世界20数カ国ぐらいでセールスランキング1位を取ったことのある美麗カードのタイトルででした。

カード絵を背中にタトゥー入れてくれるファンもいまして、海外市場における美麗カードの影響の高さを感じました。美麗カードは流行り廃りの影響を受けにくく、NFT化する上でコンテンツの価値が下がりにくいと考えています。

NFTは半永久的に残るもの”そういう考え方なので。ゲームとして使えるっていうのは前提なんですけど、あまり今の流行に絵柄を寄せちゃうと資産価値としてどうなんだろうなと思いました。

NFTはRMTが持つ問題への解決策

窪田氏:個人的な体感としてブロックチェーンゲームの状況が、2012年頃のモバゲーとかブラウザゲーからネイティブシフトする時の流れに似ているなと感じています。

あの時はネイティブシフトすればリッチな表現ができるとあって、ゲームの表現の可能性が広がりましたが、ブロックチェーンゲームに関しては、表現性というより今までできなかったゲームとしての資産価値が生まれるということかと思います。

ゲーム内アイテムを現実の通貨で売買する行為としてRMTがありますが、今までのRMTには2つの問題があると思っています。

1つは、ユーザーサイドでお互いにアイテムが違っていたり認識が違っていたりと、それこそスクシショを撮って確認しあう中で取引を行っていますが、レベルが上がってしまう、アイテムを別の人に売ってしまうなど色々トラブルが起きやすいとされています。
それがスマートコントラクト上であれば、お互いの条件で合意形成取れたらトレードされますし、ブロックチェーン上で実行されるので、不正することが難しくなります。

もう1点は今までの RMT市場は運営側は全くメリットがありませんでしたが、
そこに対して売買手数料という仕組みがあるので、そのタイミングで運営側もメリットがあるし、サポートするメリットがあるところです。

ソーシャルゲームにネイティブとしての表現力が与えられたように、価値を形成する機能がゲームに与えられたと考えています。
それってもとのPCのネトゲ市場でも今まで上手く出来ていなかった事なので、そこは凄く新しいと感じていて、「ゲーム3.0」みたいな時代に突入すると思っています。

NFTコンバート利用の新たなアイデアとは?

窪田氏:NFTコンバートという仕組みがあるのですが、それを使うとクリプトスペルズ(以下クリスペ)で使えるカードがうちでも使えるようになります。価値の共存ができるというのは、今までのゲームではありえなかったことです。

例えば、クリスペでこの称号をとったら、クリケミの炎の属性のパラメータを5パーセント上げるとか面白いなと思っています。クリスペこのくらいやってくれてたら、クリケミでもこのぐらい強くなっていくという事です。
NFTのコンバートは基本的にそういう考え方が近いのかと思います。
こっちの価値の資産をこっちで移行しても使えますよという考えです。

一つのNFT化されたプレイヤーデータや称号や実績があり、別のゲームをやってくれていたら、うちでは少し強い状態から遊べますよっていうのがユーザー体験として再現できれば、ユーザーがいろんなゲームをやってくれるきっかけになりますよね。最近はそれをやりたいなと考えています。

資産を活かせるって別にそのゲームだけの話だけじゃないと思って、ほかのゲームでも活かせたら凄く良いなと思っています。

お互いにゲームを作れたり、お互いのゲームを活性化させたり、盛り上がらせられるというのは、既存のゲームではできなかったので、技術的にはハードルはそんなにないと思いますが、複数のゲーム性と資産価値の担保をちゃんとつくれるかが問題ですね。

国内の法規制に対して

木村:国内の法規制への対応はどのようにされていますか?

窪田氏:この間金融省がパブリックコメント(※1)を出されていて、NFT(※2)全体が該当するというわけではないんですけど、特徴として、地域通貨だったりとか、ERC20(※3)みたいな何十万と発行されているものでなければ、そもそも日本では仮想通貨としてみなさないとしています。

※1 パブリックコメントへの回答
https://www.fsa.go.jp/news/r1/virtualcurrency/20190903-1.pdf
※2 NFT Non-Fungible Token 代替え不可能なトークン
※3 ERC20について https://news.blockchaingame.jp/163

弊社の場合だと、そもそもゲーム内通貨自体がゲーム内でしか使えないので、改正資金法というソーシャルゲームにおける今までの該当法律しか関わらないので、直接買っていただいて、ゲーム内のオークションのなかでカードを購入していただくという流れになります。


スタートアップで当局の規制だったり、ガイドラインに合わせて作るのに慣れているのって、多分当社ぐらいだと感じています。そもそも仕様がない段階からアンダーソン・毛利・友常法律事務所の指導のもと仮想通貨、ブロックチェーンの専門の弁護士の方に入ってもらって、この仕様って問題ないかっていうところで規制に合わせてサービスを作っています。

NFTのゲーム間相互利用で見えてくること

窪田氏:セキュリティについては、著作権の保護がめちゃくちゃ難しいですね。

2次流通で著作権、画像の加工だったりとか不正がされ始めるとこれから面倒臭いことになるなと思っています。

例えば、2次コンテンツの規制としては、今発行されているメインのNFTって、名前だったりステータスぐらいしか入れてないんですよ。なのでスマートコントラクトのなかに、もし不正に改ざんされてたり、クラックされたNFTがあった場合、ゲーム側から指定すると、ゲーム内の中では今の技術でも、流用できないようにはできるんですけども、ただそれってサードパーティでは売られるじゃないですか、それが使用できないと分かってても。

なのでサードパーティ側とちゃんと連携して、クラックされたときというかハッキングされたときに流出したNFTの対応だったりとか2次流出のNFTの対応をやっていかないと、購入してゲーム内にインポートした時に価値がないことが発覚する、みたいな問題が発生すると思います。

なので今までのソーシャルゲーム以上にセキュリティを強化しています。
元々既存サービスで、仮想通貨関連のサービスを提供しているのでその辺りのノウハウは結構活きてますね。

NFT流通量が増えてきた時に考えられること

窪田氏:また、これから多分トランザクションだったりユーザー数だったりとかソーシャルゲームでユーザーが増えてきた時のように、必ず問題が発生すると思っています。

この動きはコンプガチャ問題の時と似ているなと思っていて、健全な市場形成がなされなかったり、日本市場の規制が強まりことでやりづらくなって、元のゲーム性が担保できないとなったときに、海外市場が残っていると生きていける部分があるので、そこは見越しています。サービスが継続できなくなることが、ユーザーに対しての一番の裏切りだと思っています。

今のトークンが2号仮想通貨に該当しないという見解も今の流通量だからだと思っています。
消費者に対して問題も起きないからできているだけであって、トランザクション量が爆発的に増えて問題が起きると規制も強くなると思っています。

ブロックチェーンゲーム業界の強い連携力

木村:御社のノウハウはブロックチェーンゲーム業界に必要ですね。

窪田氏:お役にたてるのはこれからじゃないですかね。
ソーシャルゲーム業界の開発はとてもクローズドで共有はあまりないのですが、逆に驚いたのが、DApps業界がお互いが良い方向に進もうしていて、コンテンツをなるべく補充させて、みんなで戦える場所を支援し合うという認識で一致していること、無断な開発をしない、車輪の再発明をしないというところがあるので、それが凄く驚きです。

それとソシャゲの開発では信じられなかったスピードで開発していて、クリケミに関しては1ヶ月半ぐらいですから。本当に信じられないです。

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著者について

ブロックチェーンゲームインフォ /木村義彦

BlockChainGame Info 編集部 ブロックチェーンゲームの最新情報、DAppsの最新動向をお届けします

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