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仮想通貨を調べた時によく出てくるワード「コンセンサスアルゴリズム」ってなに?

仮想通貨に興味を持ち、色々調べていくと「コンセンスアルゴリズム」というワードがよく出てきます。
何やら難しそうな感じでついつい調べずに、そのまま意味も分からずお終いにしがちですが、とても重要な要素を持ちます。

今回はこの「コンセンサスアルゴリズム」について纏めてみました。


コンセンサスアルゴリズムとは

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサス➤合意
アルゴリズム➤方法

と訳すことができます。

仮想通貨の根幹と言われるブロックチェーン(パブリックチェーン)は、非中央集権的なシステムで管理者が存在しません。
よって取引を行う際、その取引が正当か否かを確認する必要があります。

この確認する人をマイナーと呼び、マイナーはマイニングという作業をすることでこの取引の正当性をチェック。対価として報酬を得ます。

コンセンサスアルゴリズムとは「誰が、どのように」取引のチェックをするかを意味した用語になります。

コンセンサスアルゴリズムの種類

コンセンサスアルゴリズムは複数存在します。

プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work/PoW
プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake/PoS
プルーフ・オフ・インポータンス(Proof of Importance/PoI

この他にもコンセンサスアルゴリズムは存在し、またPoWPoSを組み合わせたハイブリット型もあります。

今回、PoWPoSPoI、を中心に解説していきたいと思います。

プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work/PoW)

コンセンサスアルゴリズムの中で最も代表的なものがプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work/PoW)です。
PoWはビットコインに採用されており、一番耳にするのではないでしょうか。

Proof of Workを直訳すると

Proof➤証明
of➤の
Work➤仕事

「仕事の証明」となります。

PoWは膨大な計算量、つまり仕事量をようする問題を最初に解いた人が、報酬を得る仕組みになります。
PoWではこの計算をする人をマイナーと呼び、この仕事内容をマイニングと称されます。

ビットコインは最大発行枚数が2,100万枚と決まっており、現在(2018年8月6日時点)市場に流通しているのが約17100万枚。
つまり3,900,000枚まだ市場に流通されておらず、新たに発行されるビットコインは、マイニングによる報酬によって新規発行されます。

マイナーは膨大な電力を費やし、代わりに対価として報酬を得ることから、「金を採掘する」ことに似ているため、この作業のことをマイニングと呼んでいます。

PoWはある数値を最初に発見した人に対し報酬を与える仕組で、このシステムにより改ざんのリスクをほぼ0にしています。

ここでいうある数値とは「ナンス値」を指し、ナンス値を見つけ出すには、専用の機材を複数台用いらなければ(一番最初に)発見することができません。この作業には、膨大な電力(電気代)が必要となります。

PoWのメリット

PoWのメリットは取引記録の改ざんに強いということです。
ビットコインでブロックを生成するには、マイニングと言う作業が必要ですが、仮に不正なブロックを生成しようと試むと、より電力を費やす必要があり、その行為に見合った対価を得ることができません。

ここで言う「より電力を費やす」というのは、大勢のノードを上回る速度で不正なブロックチェーンを伸ばして上書きするということです。

ブロックチェーンは過去から現在までひと繋がりの台帳となっています。
仮にブロックを改ざんしようとすると、その後に行われたすべての取引が含まれるブロックも、計算し続けなければいけません。

この行為を実現させるためには、参加者全体の計算能力およそ過半数の能力を持たない限り、実現することは難しくほぼ不可能とされています。

ビットコインではこのPoWにより強固なセキュリティを実現しています。

PoWのデメリット

①一番に言われているのがPoWを行うには膨大な電力を必要とすることです。
PoWは仕事の量を増やさないと一番最初にナンス値を見つけることができないため、マイナーは性能の良いコンピュータを使って膨大な電力を使いマイニングを行います。
これにより、電気代が高額になると同時に、地球環境にも悪影響を及ぼすとされ、国際問題にまで発展しています。

②51%攻撃
PoWで不正行為を実現させるためには、世界中の強力なマイナーがする仕事量を上回らなければなりません。
ビットコインなど参加者が多い通貨は起こりづらいとされていますが、他の有名ではない通貨ではマイナーがそれ程強力でなく、膨大なコストをかけずに過半数を占めることができてしまう事もあります。
ある特定のノードが過半数を占めてしまえば、そのノードが取引を承認することになるので、不正な取引を承認できてしまいます。
このような問題を、過半数つまり51%以上を占めることから、51%攻撃と言います。

プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake/PoS)

PoSPoWの改善策として考案された仕組みで、トークン保有量が多ければ多いほど報酬が得やすくなるアルゴリズムです。

PoWでは計算量、仕事量によって、ブロック生成者を決定していましたが、PoSの承認できる確率は仮想通貨の保有量に応じて高まります。

つまりPoSでは仮想通貨を持っていれば持っているほど、ブロック生成を行えるので、多くの報酬が貰えることになります。
PoWではマイニングと呼んでいますが、PoSではフォージングと呼びます。

PoSのメリット

PoSではPoWで問題とされていた「膨大に使われる電力」また、取引承認に係わる「51%攻撃」に対し改善されたアルゴリズムです。

PoSは、CUPに膨大な計算をさせなくて済むので、電力がたいして必要ではありません。

PoSでは51%攻撃を受けにくいとされています。
51%攻撃を行うためには大量の仮想通貨(51%以上)を保有しなければならず、そこまで保有するには相当の資金を必要とします。
仮に不正な取引がネットワークで認証され常時起こっていたとすれば、通貨の信用を失い価格が暴落するので、攻撃するメリットがありません。

PoSのデメリット

PoSは保有量が多いほど認証できる確率が高くなるので、通貨を貯め込む傾向が多くなり流動性が損なわれる恐れがあります。

プルーフ・オフ・インポータンス(Proof of Importance/PoI)

PoIはNEMプロジェクトで独自に導入された、今までにない新しいコンセンサスアルゴリズムです。

PoWは計算量を重視し、PoSでは通貨の保有量に応じ報酬を得やすい仕組みとなっていました。

PoIでは重要度に応じ報酬を得やすくなる仕組みです。
ここで言う「重要度」とは、XEMの「保有量」と「取引」を指し、多くのXEMを持つだけではなく、取引の多さも考慮した仕組みとなります。
つまり、ネットワーク上で積極的に参加する人ほど報酬を得られるということです。

PoSは多くの通貨を保有している人ほど報酬を得やすくなるため、「通貨を貯め込み流動性が損なわれる」という懸念がありました。

このような問題に対し、PoSの概念を発展させて考え出されたのがPoIです。
保有量だけではなく取引の多さも判断基準となるので、富裕層に偏らず流動性を保つことができます。

*この判断基準は「保有量」と「取引の頻度」だけではなく、複数の複雑なアルゴリズムで設計されています。

NEMは「金銭的な自由、分散化、平等および連帯感の原則に基づき、新しい経済圏の創出を目標」としてはじまった仮想通貨のプロジェクトです。

この考えは、コンセンサスアルゴリズムにも引き継がれています。

PoIのメリット

PoIではPoWのように膨大な電力を必要としません。
PoS同様、51%攻撃のリスクが極めて低いです。
PoSの富裕層が有利になってしまうというデメリットに対して、PoIでは「流動性」が高まるので、貧富の差が極端に広がることがありません。

PoIのデメリット

PoIで報酬を得ることをハーベスティング(収穫)と呼びますが、このハーベスティングに参加するためには、ある一定量のXEMを保有する必要があります。
そのため、保有していない人は参加ができないので、PoSが抱える問題を完全に解決した訳ではありません。

最後に

今回、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work/PoW)、プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake/PoS)、プルーフ・オフ・インポータンス(Proof of Importance/PoI)について纏めてみました。

この他にもリップルが取り入れている、Proof of Consensus/POCや、LisKが採用しているDelegated Proof of Stake/DPOS、又はハイブリット型も存在します。

NEMなどは取引所のウォレットに預けておいても増えることはありません。
しかし一定量保有していればNEM専用のNanoウォレットならXEMを報酬として得ることも可能です。

これから仮想通貨を購入する、又はICOに参加する時は、自分が欲しい通貨のコンセンサスアルゴリズムがどのタイプか知っておいた方が良いでしょう。

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著者について

ぼ~ぬん

2006年、カルト・ブルーを取得にて フランス・ブルゴーニュのbeauneに1年間勤務。 2016年6月、仮想通貨トレードに参入。 2018年より投資枠を拡大。資産運用中。

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